OBSCURA COFFEE ROASTERSのアイスコーヒー・ブーランジェリーボヌールのきなこあげぱん

わたしにとって世界は川崎とその外側の世界で構成されている。川崎の内部か外側か、世界はその二つしかない。

ここは三軒茶屋。わたしは三軒茶屋にあるキックボクシングのジムに通っている。

最近は週一回行くか行かないかという超スローペースで行っているが、体を動かすと頭もシャキッとする。

昔は上空に架かるこの巨大な道路に圧迫感を感じていたが、今ではそれも三茶のアイデンティティだと思っている。

日曜日の茶沢通りは午後一時から五時まで歩行者天国となっている。

下北沢へ通じるこのストリートはお洒落な店と古き良き店が混じり合っている。わたしは日曜日のこの通りの雰囲気が好きだ。

国道246三軒茶屋交差点から下北沢に通じるこの茶沢通りの商店街を「三茶しゃれなあど」と言う。

おそらくオシャレなプロムナードで「しゃれなあど」だと思うのだが正解かどうかはわからない。

あるいはさらにもう1、2個意味がかかっているかもしれない。レナードとか。

三軒茶屋という街は若者が多く街全体がオシャレな街だがこのオレンジの柱はあまりオシャレではない。いや一周回ってオシャレなのかもしれない。

ちなみに道の反対側に同じものがもう一本あり、そちらの方は文字が光っているのだがこちらの方は光っていない。

あえて光を失ったほうを写真に収めさせていただいた。

そのしゃれなあどにあるOBSCURA COFFEE ROASTERS。わたしはジムで汗を流した後にここのアイスコーヒーを飲むことを楽しみとしている。

この一杯のためにジムへ行くと言っても過言ではない。

OBSCURA COFFEE ROASTERS は世界中のコーヒー農園を直接訪れて買い付けを行った豆を、その豆の特性を最大限活かすべく丁寧に焙煎している。

三軒茶屋に3店舗あり、渋谷駅の東急フードショー内に1店舗、広島にも2店舗あるそうだ。

お店の前に木のベンチがあり、そこでコーヒーを飲みながら行き交う人を眺める。ほんの数分の時間だがこの時間が好きだ。

ジムで尋常じゃないくらい汗をかくのだが、その後に飲むアイスコーヒーは本当にうまい。

このお店のコーヒー自体がめちゃくちゃうまいのだが、そのおいしさが2倍にも3倍にも膨れ上がる。

コーヒーを美味しく飲む一番の方法は鬼のように汗を流しまくることだ。

そのすぐ近くにあるブーランジェリーボヌール。もうアルファベットを書くのが面倒なのでカタカナで表記させていただく。

三軒茶屋はパン屋さんがめちゃくちゃいっぱいある。都内でも有数のパン屋さん地帯だろう。

日曜日の歩行者天国の時間には店の前でパンを販売している。ゴール前にすごい勢いでオーバーラップしてくる長友選手のように攻め上がってきている。

トルティーヤにあげぱんにチュロス。きなこあげぱんがわたしのハートを撃ち抜いた。そして小学校の給食の風景がフラッシュバックした。

白い袋からあげぱんを取り出すときなこが風に舞い上がった。粉雪みたいだった。

汗を流したあとは食べ物もめちゃくちゃうまい。体がエネルギーを吸収していくのがよく感じられる。

揚げたうえに甘いきなこをこれでもかと振りかけるという、カロリー的にとんでもない暴挙を行っているのだがなぜこんなにポップでかわいいのだろうか。

やはり日曜日の茶沢通りは平和でいい。今日はなかなかいい日曜日だったのではなかろうか。