布団をたたまず家を出た

わたしは布団派の人間だ。幼少の頃から布団に慣れ親しんできたので、一人暮らしの今も布団で寝ている。

ではベッドだと熟睡できないのかと言われれば別にそんなことはない。

ビジネスホテルに泊まったりしても普通に寝れる。

布団のほうがなんか落ち着く気がする。ただそれだけの理由だ。

なるべく地面に近いところで眠ったほうが本能的に安心するのかもしれない。

布団はしまうことができる。たためば部屋を広く使えるが、毎日たたまなければいけない。

昨日の朝、時間ギリギリで布団をたたまずに家を出た。

敷きっぱなしで家を出るとなんか気持ち悪い。いいスタートを切れていない気がする。

だがその日は残業で家に帰るのがめちゃくちゃ遅かった。

12時過ぎにヘトヘトで家に着き、歯磨きだけしてそのまま布団に滑り込んで寝た。

まるで夜に最速で眠るために、朝のうちから布団を準備したような感じになった。

サランラップを買い忘れる運命

わたしはサランラップを買い忘れるだろう。

家のサランラップがなくなった。余ったおかずをラップしようとしたら途中でなくなった。

最後の一枚はギリギリ微妙に足りなかった。少し隙間が空いたままラップをして冷蔵庫に入れた。

通常よりもちょっとだけ空気に触れるので劣化するのがちょっとだけ早いだろう。

もしくは少し隙間が空いている時点でラップしている意味はないのかもしれない。

帰りにサランラップを買おう。そうわたしは決意した。

だがわたしはサランラップを買い忘れるだろう。

絶対に忘れるだろう。いつもそうだ。これは運命である。

そして明日でいいやと思い、翌日に今日こそ帰りにサランラップを買おうと肝に銘じるだろう。

だがまた忘れるだろう。次の日は今度こそサランラップを帰りに買おうと、手のひらに「サランラップ」とペンで書くだろう。

だが手のひらに書いたことすら忘れるだろう。

Amazonで大量に買うことにしよう。

イカリの豚丼のタレ

一日中雨が降っていた。なおかつめちゃくちゃ寒かった。

今日はずっと家にいてNetflixをみていた。家から一歩も出ないのもたまにはいいものだ。

晩飯に豚丼を作った。野菜を添えた。松屋の生野菜セットを意識してみた。

いつも松屋では卓上にあるポン酢しょうゆをかけて食べるのだが、あれが家にあればいいのにと思った。

あれがスーパーで売っていたら土砂降りの雨の中でも買いにいくだろう。

イカリソース株式会社から出ている豚丼のたれを初めて使ってみたのだが、とても便利だ。

豚肉と玉ねぎをフライパンで炒めてこれをドバーッとかけるだけでよい。

フルーティーな甘味があり、5分で作ったとは思えないほどちゃんと豚丼になる。

フルーティな甘味と言ったがわたしがフルーティさを感じただけでフルーツなど入っていないかもしれない。

玉ねぎから出てくる自然な甘味なのかもしれない。

ところでイカリソースでおなじみの会社は、社名が「イカリソース株式会社」ということを今日知った。

ソースに命をかける企業だ。今後イカリソースを使用するときは、イカリソースに乗せられた社員たちの思いを感じながらいただこう。

 

 

松井秀喜臨時コーチ

わたしは巨人ファンだ。全試合追いかけるほどのガチ勢ではないが、それとなく巨人の情報をチェックしてはいる。

そんな巨人軍の春季キャンプで、松井秀喜氏が6年ぶりに臨時コーチを務めた。

少年野球をやっていたわたしにとって、ゴジラ松井は心のヒーローだった。

ヤンキースの「ヒデキマツイ」もいいが、やはり巨人軍の「松井秀喜」が好きだ。

松井氏は今年で49歳になるそうだ。イチローは50歳。時の流れは早い。

今回臨時コーチをするにあたって一番注目されたのが、背番号55を受け継ぐ秋広選手への指導だろう。

今年で4年目の秋広選手は身長2メートルを超えるたぐいまれな体格の持ち主で、去年から一軍でレギュラーの座を掴んだ期待の若手選手だ。

背番号55を継承する秋広選手に40分ほどバッティングについてアドバイスが送られた。

秋広選手は今年どんな活躍を見せてくれるのか。目が離せない。

さらに監督は阿部慎之助へと変わり、浅野、萩尾、門脇など、巨人に新しい風が吹きまくっている。

メジャーリーグからオドーアという超強力助っ人外国人もやってきた。

今年の巨人軍には期待しかない。

 

 

soup stock tokyo のバッグ

電車に乗っていた。駅に着いたので座席から立ち上がり降りようとしたとき、前に立っていたおばさんの持つ小さなバッグが目に入った。

50代もしくは60代くらいと思われる、いわゆる一般的なおばさんなのだが、小さな黒いバッグを提げていた。そのバッグにはsoup stock tokyoと書かれていた。

soup stock tokyoのバッグ。それを目にしたときにいろんな思いが頭に浮かんだ。

なぜsoup stock tokyoのバッグを提げているのだろうか。

soup stock tokyoでバッグを売っているのだろうか。

もしくはsoup stock tokyoで食事するたびにポイントが貯まっていき、貯まったポイントと引き換えにもらうことができるレアアイテムなのかもしれない。

だとしたらそのおばさんは生粋のsoup stock tokyoファンだ。

週5〜6日soup stock tokyoに通い、全種類のスープを制覇していたりするのだろうか。

soup stock tokyoのTシャツなども持っていたりするのだろうか。

そしてそのバッグの中にはやはりスープが入っているのだろうか。

そんなことを考えながら家路についた。晩飯はクリームシチューにしよう。

尾崎に差し迫るオーマイリトルガール

夜の川崎駅前は路上ミュージシャンがたくさんいる。

東口駅前はかなり広いスペースになっているのだが、毎日必ず何組も路上ミュージシャンが自由に演奏している。

音量もフルパワーで、全力で演奏しても注意されたりもしない。

川崎は音楽の街と言われたりもしているそうで、路上で演奏することに寛大なようだ。

女性のバラードから本格的なバンドまでいろんな音楽が路上で鳴っている。

演者のスキルも様々で、その辺のカラオケレベルの人もいれば、プロ顔負けの物凄い歌声や演奏技術を持った猛者もいる。

やはり後者の「猛者」の周りには自然と人が集まってくる。

ほぼ毎日川崎駅前広場を通るのだがたまにとてつもない猛者がいる。

今日はオーマイリトルガールの猛者に遭遇してしまった。

その男性は黒いハンチング帽をかぶり、地面に座り、アコースティックギターを弾き、下を向きながら尾崎豊のオーマイリトルガールを熱唱していた。

オーマイリトルガールといえば路上弾き語りの中で定番中のド定番、この世で最も歌われている曲といっても過言ではないだろう。

いわばストライクゾーンのど真ん中にストレートを投げているようなものだ。

だがそのど真ん中に放たれたオーマイリトルガールは時速160キロの豪速球だった。

下を向きながら歌う声は川崎じゅうに響き渡るほど力強く、それでいて伸びやかだった。

藤川球児江川卓の、唸りをあげて浮き上がるストレートのような歌声だった。

歌い終わると集まった人たちは拍手喝采を送っていた。指笛を吹く人などもいた。

あのオーマイリトルガールは尾崎豊のオーマイリトルガールに差し迫るほどのオーマイリトルガールだった。

路上で聴いたオーマイリトルガール史上最高峰のオーマイリトルガールだった。

もはやオーマイリトルガールを超えて成人女性だった。

 

天龍のニラレバ

川崎町中華代表、天龍。創業1949年。74年川崎の街を見守る。

わたしの中で「川崎ってこんな街」というイメージを象徴したような存在。

ここが川崎の核心だと勝手に思っている。天龍が滅びれば川崎も滅びる。

わたしは天龍のニラレバが好きだ。今日もイスに座るより早くニラレバとライスを注文する。

店員さんは中国の人と日本の人がいる。今日は誰かの差し入れのなっちゃんを和気あいあいと分け合っていた。

天龍のニラレバのレバーは片栗粉の衣で包まれていて、コロコロとして柔らかい。この食感がたまらなくうまい。

ところで「ニラレバ」もしくは「レバニラ」というけれど、なぜもやしは入っていないのか?

ニラレバのほうが言いやすいのはわかる。だがもやしのシャキシャキ感はめちゃくちゃ重要だし、ニラと同等の仕事をしているはずだ。

ニラとレバーともやしが揃ってあの味と食感が生まれるのではないのか。

ジョジョの奇妙な冒険の第五部にギアッチョというキャラクターが出てくる。そいつの言い方で言うならば、

「みんなニラレバとかレバニラっていうけどよおー、もやしも入ってんだろおー、ニラモヤレバって言えー!チクショー、オレを舐めてやがる!」だ。