タルトドットコーヒー・武蔵新城

とんでもなくうまいタルトに出会ってしまった。今までそんなにタルトを食べてきてないし、これからもそんなにいろんなタルトを食べることもないだろう。

ということは今後これを超えるタルトに出会うことはないかもしれない。そう思うほどうまいタルトだった。

その店はJR南武線溝の口のひとつ隣の駅、武蔵新城という駅の目の前にある。ビルの非常階段のような階段を登ったところに入口がある。外観は銀色が印象的でメタリックなイメージだ。

タルトドットコーヒーは2021年7月27日オープン。「日常の小さな幸せを提供する存在でありたい」をコンセプトにオーナーが生まれ育った街である武蔵新城の地にオープンした。

小さな幸せを提供したいということだが、この美味しすぎるタルトからは結構大きな幸せをいただいた。

扉を開けると白と灰色のイメージのスタイリッシュ空間がそこには広がっている。タルトとスペシャリティコーヒーがタルトドットコーヒーの軸である。

タルトは季節の素材やフルーツを使用しオリジナルレシピでつくられる。常時3種類用意されており季節によってラインナップが変わる。

コーヒーはハンドドリップで、やはり常時3種類の中から豆を選ぶことができる。おすすめは「TDCオリジナルブレンド」で、タルトに合うように独自にブレンドされている。

今回はタルトは「レモンタルト」を、コーヒーは「アメリカーノ」をいただいた。タルトドットコーヒーではタルトはすべて丸い形で提供するというこだわりがあるそうだ。ドットとはタルトの丸い形を表している。

クッキー生地はかなりしっかりとしていて、ナイフとフォークでいただく。口に入れるとレモンの濃厚さと爽やかさとタルトの生地が三位一体となって襲いくる。なぜこんなにうまいのか説明できないがとにかくうまい。

甘さからなにまで全てが絶妙だ。わたしはこのときにドラゴンボールフュージョンを思い出した。お互いの気を全く同じにして同じ動きをしなければフュージョンのとてつもないパワーを得ることはできない。

フュージョンといえばスッキリとした味わいのアメリカーノはタルトとの相性抜群だ。タルトが悟天ならアメリカーノはトランクスだ。そういえばドラゴンボールも丸いものを集める話だ。

店名が描かれたオリジナルのマグカップもまた趣がある。このお店は外観といい器といい、どこかしら銀色というか灰色というか、無機質なイメージを感じる。

それにしても美味しいタルト&コーヒーだった。ドットという言葉には3つの意味がある。点という意味・水玉模様という意味・ディスプレイを構成する最小の単位という意味だ。

武蔵新城という街を俯瞰で見ると、このお店もまた街を構成する最小単位のドットの一つである。この街にまた新しいドットが刻まれたようだ。

その後わたしはマンホールを見るたびにあの美味しいタルトを思い出すのだった。